」2019年8月17日(土)

NHKBSプレミアム。グレートネーチャー「ヒマラヤの秘境!ブータン幸福の大絶景」。

地質学者の酒井治孝京大名誉教授の解説。案内は、私たちの手伝いをしてくれたこともあるケザン君。王立生物多様性センターの所属で、植物学者と紹介されていた。活躍ぶりが嬉しい。

ヒマラヤ山脈は、ユーラシア大陸プレートにインド亜大陸プレートが潜り込む際に、テチス海堆積物が圧力で褶曲しながら隆起したものである。石灰岩は海性微生物の死骸などが堆積したもので、さらに熱で結晶化したものが大理石である。

(テチス海:パンゲア大陸の分裂から始まった2億年前~6000万年の間に存在した。古地中海ともいう)。

ヒマラヤの女神チョモラリは、テチス海堆積物がインド亜大陸プレートによる横からの圧力で褶曲している(横臥褶曲)。

酒井先生によれば、もう一つヒマラヤを隆起させている動力がある。

インド亜大陸プレートは、地殻と上部マントルで構成されるリソスフェア(硬い岩盤)である。プレートが沈み込んで、地熱が700度の所に達すると、地殻が熱変成して片麻岩となり、さらにマントルと分離して軽くなり、逆流するように上昇し、テチス海堆積物を押し上げる。

ヒマラヤの基本地層は、下部が片麻岩、上部が海堆積岩となるが。正断層により、一部に片麻岩が頂部に顔を出す。(チョモラリが海堆積物か片麻岩については、飲酒してテレビを見た私の理解に矛盾があるが、それは課題としておこう)

パロ城の背景となるヒマラヤ山脈

タクツアンは、ブータンの霊場である。酒井先生によれば、この岩場は、ガーネット(柘榴石)を含む片麻岩である。

タクツアンの植生は、ウバメガシと松類

首都ティンプーや空港がある古都パロ周辺の川には、片麻岩や白いライムストーン(大理石)がある。

ティンプー市内にあった片麻岩。ブータン花博2017の日本式庭園に使用した。

私は、在インド日本大使館に依頼されてブータン花博2017で作庭した日本式庭園。滝石組みの主石はタクツアンをイメージして、片麻岩。パロ川をイメージした流れは青い片麻岩の玉石。インド洋をイメージした石庭はライムストーンの白い玉石。