フランスの植物学者&デザイナーのパトリック・ブランは、世界各地に垂直ガーデンを作出し、高い評価を得ています。

ブランの垂直ガーデンは、不織布にポケットを作って植物を埋め込み、栄養水を循環させる、いわば水耕栽培です。従来の壁面緑化と比較すると、多種類の植物が駆使されていて、さすが植物学者の作品という感じです。

ブランの日本での代表作は、金沢21世紀美術館の「緑の壁」です。壁の厚みは10数センチです。北壁は、オニヤブソテツ、ツワブキ、ヒトツバ(シダ類)が植栽されていて、私は「海崖」をイメージできます。反対に南壁は、スゲ類(ヤマスゲ)、ウワバミソウ、ヤブコウジ、ショウジョウバカマなどが植栽されていて、私は渓流沿いの「山崖」をイメージします。

私は、海崖植生が壁面緑化に適するとかねてより注目して、このブログで伊豆半島などの海崖植生を紹介してきましたが、ブランの作品を見て確信をもつことができました(カテゴリー「環境戦略」「垂直ガーデン」参照)。今回は、ブランの「緑の壁」のイメージにつながる北陸の海崖植生を紹介しましょう。

patrich.jpg上:南壁「山崖」、下:北壁「海崖」(パトリック・ブラン作「緑の壁」観察ノート)

patrich2.jpgpatrich3.jpg鳥取県の海崖植生、ハマカンゾウ、ツワブキ、オニヤブソテツ

patrich4.jpgpatrich5.jpg鳥取県の海崖植生、キズタ、オニユリなど

patrich6.jpg新潟県の海崖植生、キズタ、ミツバアケビ、ノブドウ、センニンソウなど多種類のツル植物

patrich71.jpg上に同じ

patrich81.jpgpatrich91.jpg新潟県の海崖植生、タイトゴメ