史跡品川台場

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ペリーが来航した1ヶ月後、嘉永六年(1753)7月、幕府は外国船の再来航に備えて、伊豆韮山代官江川太郎左衛門に命じて、品川沖に(砲)台場を建設しました。

わずか1年3ヶ月の間に、未完成の2基も含めて7基の台場を建設しました。石垣を基部とし、上部は土塁で作られており、囲いの内部は、陣屋などが置かれた空間となっています。

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現在は第3台場と第6台場が残されていて、国の史跡に指定されています。

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東京湾に浮かぶ人工島である内部空間の一隅には植栽がされています。潮風に弱いとされるイロハモミジが植えられ、しかも東京にしては紅葉が美しく、私はとても感激しました。

台場のイロハモミジは、潮風を防御する工夫があれば、海の真ん中でも、内陸性の植物が自生することを示す貴重な事例です。

東京湾の環境を改善するにあたって、緑化された人工島、すなわち「緑の台場」の建設は重要であると思います。

たとえば、海水と接する壁には自然石など使用して磯的な機能をもたせ、土塁部分には海浜植物や海岸性マント植生の低木類を植栽します。そして、内部空間は、定信の浴恩園のように潮入りの「秋風の池」「春風の池」として、モミジや桜など日本の四季の美しさを楽しみます。