■日本最古のソメイヨシノ。
福島県郡山市開成山公園にあるソメイヨシノの樹齢は150年以上と科学的に診断された。
この地域を開拓した開成社が、明治11年(1875)に3900本植栽したソメイヨシノの一木の可能性が高く、日本最古となる。
しかし実は、若い枝から不定根が出て、根元は朽ちて生育基盤となり、複数回世代交代した結果、150年近く生きることができた。
樹齢1000年とも言われる三春滝桜も、一木が成長した訳ではなく、何世代かの集合体です。
■ソメイヨシノの世代交代。
桜は古木になると幹の芯が劣化します。
樹皮の内側には、水分を吸い上げるポンプの役割をする維管束があり、芯が腐っても、木の命を支えます。
幹から徒長枝と呼ばれる若い枝が出ると、維管束と繋がり、分裂して不定根となります。
腐った芯材は土壌のように、生育基盤となり、根を育てます。
一般にソメイヨシノの寿命は80年前後とされているが、このようにして世代交代が上手くいったソメイヨシノは、累積樹齢が100年を超えます。
世代交代を促すためには、古い幹をぶつ切り強剪定して、若い枝に更新することです。
■140年前(明治15年)に植栽された弘前城のソメイヨシノ。
上方の幹枝は若く、幹元は太縄を絡ませたようになっていて、複数の不定根が合体している様子が伺えます。