2011年3月11日、東日本大震災。アクアマリンふくしまは、津波を被り、地下設備があった電源を喪失して飼育生物の9割が死滅。また液状化によって、建築周辺の地盤が約1m沈下するなどの甚大な被害を受けました。

当時の安部義孝館長は1940年生まれ、1968~69年クエート科学研究所の研究員として、同研究所内の水族館の立ち上げに尽力しました。2012年それが縁で、クエート政府はアクアマリンふくしまの復興資金として、300万ドルを提供しました。

2013年から、そのクエート資金をもとに、アクアマリンふくしまの復興プロジェクトが始動しました。

以下は田瀬理夫さんからいただいた計画書です。

①クズのトンネル、④クエート・ふくしま友好記念日本庭園、⑦防潮林(須賀)、⑧阿武隈の森などからなります。

2013年7月11日、私(仲田)と箱根植木の伊澤哲さんは、本郷3丁目にあった田瀬さんの事務所を訪問。いつものように「ぎおん」でごちそうになりました。田瀬さんは稀代のモチベーター、「アクアマリンでは、種子、土、水すべて福島のものを使う」。震災後の原発風評被害によって、仲田種苗園の売り上げは半減、一方で公共の防潮林に使われる膨大な苗木は九州など他地域産がほとんどという現状でした。私は、アクアマリンふくしまの新プロジェクトに大きな希望をもちました。

2013年秋は、防潮林(須賀)に使用する種の樹種調査と採種をしました。

10月13日、田瀬さん、日本大学生物科学部大澤啓志研究室の田中秀樹さん、アクアマリンふくしまの津崎さん、仲田種苗園で、大国魂神社や賢沼弁財天などいわゆる「鎮守の森」の樹種調査をしました。

11月5日、賢沼などで採種。

2013年11月5日 楢葉町山田グリーン隣接照葉樹林 田瀬さん、日大田中さん
2013年11月5日 いわき市賢沼弁財天 仲田種苗園スタッフ藁谷
2013年11月5日 賢沼弁財天 田瀬さんと日大田中さん。樹齢500年のスダジイに感激
2013年11月5日 賢沼弁財天 大震災で建物が水没

2013年11月20日 いわき市新舞子海岸での採種は、田瀬さん、大野暁彦さん(現名古屋市立大学)、アクアマリンの津崎さん、仲田種苗園で行いました。

2013年11月20日 新舞子海岸でお弁当 津崎さん、田瀬さん、大野さん、仲田種苗園スタッフ(右から)
2013年11月20日  新舞子海岸

採取した種子は、仲田種苗園矢吹農場で発芽育成管理しました。施工は2014年秋から2015年春まで。

仲田種苗園 矢吹農場

アクアマリンふくしまの復興事業と並行して、津波の被害を受けたいわき市久之浜地区の復興事業にも参画しました。