■Flora Japonica

日本固有の植物は、1800種。
昨年、イギリスのキューガーデンで、日本固有の植物を日本人作家たちが描いた展示会が大盛況だったという。その一部が、上野の国立科学博物館で展示されている。
まるで母親が我が子を描くように、植物の特質を知り、愛情をこめて描いている。
日本は、少なくとも万葉の時代から(縄文時代まで遡るがややこしいので)、楓や野の花を部屋に飾り、庭に植えて、歌を詠み、絵に描いてきた。
これほど植物に親しんできた民族はない。
都会で生まれて育った人でも、野の花を見て、懐かしいと思うのは、日本人のDNAだ。

ミツバアケビ

コハウチワカエデ

イロハモミジ

■ 北斎とジャポニズム
ドガ、モネ、セザンヌなどの印象派画家、そしてゴッホは、私は好きだ。大震災頃に滞在したロンドン市内のホテルの近くに、ナショナル・ギャラリーがあって、無料でしかも夜8時までやっているので、パブでいっぱいやった後に、毎日通った。19世紀前半以前の宗教画や肖像画が多いのだが、印象派のコレクションを見ると、本当にほっとした。
これらの印象派作家に影響を与えたのが、葛飾北斎だ。
一例としては、樹木を近景にして、風景に遠近を出す。風景には、人や動物を添えて、諧謔性(ユーモラス)を出すのも、北斎の極意。
写真は、私が撮影した福島県石川町を流れる今出川の雪桜と鴨。