2001年、ヒマラヤ山脈の北側にある東チベットの植物ツアーに参加した。
成都からラサに飛行機で飛んだ。ラサのポタラ宮は壮大で美しかった。修行僧の陽気な掛け合いも微笑ましい。
ラサから東に向かい、標高5000mの米拉山口を越え、林芝市(ニンティ地区)の標高4000mの森林限界の植生を調査した。青いケシはヒマラヤ山脈のこの標高に自生する。
温室植物セイタイカダイオウは、苞葉が高山の冷気から花を守り、また昆虫を誘いこんで花粉を運ばせる。
20年経ち、中国政府によるチベット統制と開発は進み、修行僧の朗らかさも豊かな自然も失われているだろう。
樹下問答。
チベットラサのセラ寺(色拉寺)。
若い僧たちが、陽気に、クイズのように、問答を繰り返す。
ヒマラヤ、中国、朝鮮半島、南西諸島を除く日本列島は、東アジア植物区系(日華植物区系)に属します。その代表的な樹木がシャクナゲ。
植物区系のセンターであるヒマラヤには、200種のシャクナゲが自生します。
南西諸島を除く日本列島は、ヒマラヤ、中国、朝鮮半島と同じ、日華植物区系(東アジア植物区系)に属します。
ヒマラヤ中腹がセンターで、同じ植物でも多様に分化しています。
例外はカエデ類。日本には原種のカエデが26種あり、世界一。イロハモミジ、オオモミシジ、ヤマモミジなど葉の切れが深いものは、日本特有です。日本の紅葉が外国人に人気なのは種類が多く多彩だからです。
写真は、2001年に東チベット林芝市で撮影したオガラバナとテツカエデ、いずれも日本にもあるカエデ類です。