神田誠司「神山進化論」(学芸出版)2018年を読むと、神山町の近年の進化がわかる。

2016年、神山町は町が1000万円出資した一般社団法人神山つなぐ公社が設立されて、新たなステージに立った。つなぐ公社は、町中堅職員の代表理事 杼谷 学さんやグリーンバレーの大南信也さん、地域デザイナーの西村佳哲さんと後藤太一さんが理事となり、役場内の課長・課長補佐の横断的な「神山つなぐ会議」と連携して、官民協働を推進している。

同じく2016年、フードハブが、IT企業モノサス(出資率67%)、神山町(30%)、つなぐ公社(3%)の共同出資により設立された。町職員も出向している。

ハードハブは「地産地食」を進めるために、自社農園、食堂「かま屋」、パン屋食品雑貨を販売する「かまパン&ストア」を経営する。

自社農園と近隣農家から調達した野菜をベースにしたランチは、本当に美味しい。若いカップルや家族を中心に遠方から食べにくるようだが、納品している農家さんも食事しているのがほほえましい。

かま屋

かまパン&ストア

かま屋のランチ

地産地食率は50~60%

かまパン、豆ちよのこコーヒー豆など地元の食材も扱っていて、協働の姿勢に好感がもてる。

食への取り組みもすごいが、住への取り組みも感動的だ。

若い世代が住む集合住宅を2017年から3~4棟づつ建設している。建築材料は地元の神山杉を使い、建設は地元工務店が担う。小規模工務店が施工可能な棟数を、毎年建設していく。

ランドスケープは、私たちがお世話になっている田瀬理夫さん。周辺の在来樹木の種を採種して、これも時間をかけて混ぜ垣(多種類の樹木から構成される生垣)に仕上げていくようだ。種子採集は多くの方々が参加してのワークショップ、苗の育成は東京のユニットタネさんと徳島県唯一の造園学科がる地元の城西高校神山分校が担当している。