ウエルカム・タヌキ
竣工は2025年5月中旬。
造園の設計施工は仲田種苗園で現場代理人は佐川憲一プロジェクトマネジャーです。

佐川君は1級造園施工管理技士、NPO法人日本ビオトープ協会役員で、ビオトープ施工と環境教育に実績があります。
また水族館担当の荒木美紀さんが主体的に関わり,水族館と私たち設計施工による三位一体です。
荒木さんは水族館の哺乳類飼育チームリーダーだが、もともとは鮫が専門。文献や動物園の視察などで猛勉強しているが、一番大事にしていることはフィールドワーク。休日は里山歩きすることが多いそうです。
2025年7月はアクアマリンふくしま開館25周年記念。その記念事業として、「わくわく・はじまりの森」の整備が行われ、当初はその中にタヌキ飼育施設を入れる予定だったが、森の中にはなるべく人工物を入れたくないということで、外に。ちょうど来館者を迎える大事な場所に新築されました。
水族館で飼育しているの2頭だが、仲がよくないということで、別居2エリア。25㎡づつ合計50㎡。将来的には統合される可能性もあるので、同じ植栽にならないように、樹形や樹種を工夫しました。
2024年4月24日。私は横浜市立動物園ズーラシアを訪問して、ホンドタヌキを1時間観察しました。その結果、(1)大回り、中回り、小回りを繰り返しながら、ある程度道が決まっている。(2)日蔭は必須、(3)見え隠れする低木や地被が必要。

飼育施設前庭。ウラジロガシ、ヤブツバキ、ヤマツツジを組み合わせて、庭のようにカッコよく。

東室は、日蔭用に高さ5m双幹のコナラ。中低木としてウメモドキ。里山をイメージする柿の木。ミソハギマットを植栽しました。

枝を使った小さな小屋は荒木さんの手作り


西室の木陰は、高さ5m4本立ちのコナラ、中低木はナツハゼと柿の木。東室となるべく同じにならないように、コナラの樹形と中低木の樹種を調整しました。
東室西室の水飲み場は、佐川君作。


8月26日、完成後3か月。ミソハギの花が咲き乱れていました。最高気温35度近い猛暑だったが、東室のタヌキは、大回り、中回り、小回りと歩き回り、時々水を飲む。高さ30~40cmのミソハギの草丈が、タヌキが見え隠れするのにちょうどよく、設計施工の私としてはイメージどおりです。







