2015年冬、アクアマリンふくしま開館15周年記念「わくわく縄文の里」約5000㎡。元請けは地元ゼネコンの福浜大一、造園工事は箱根植木。
その要となるカワウソ飼育施設「カワウソの淵」は、水族館から別発注で仲田種苗園が設計施工を担当しました。2010年エッグのカワウソ飼育施設の造園工事も仲田種苗園が担当したが、カワウソの家族が増えて手狭になったので、規模を500㎡に拡大して、縄文の里の目玉になることが期待されました。

水族館担当の中村千穂さんによると、「世界初、室内での自然石組み飼育施設」(一般には擬岩)。私はなんだかかっこいいなーと浮かれたが、結果はエライ難工事でした。
私は1995~1999年頃、小形研三の高弟榊原八郎さんから日本庭園の基礎を学びました。粘土と砕石を使って石組みを学ぶ実習はとても面白く、カワウソの淵の設計に応用しました。下の写真は、模型写真に着色したものです。着色は私の個性が出すぎているが、この模型で水族館と施工関係者のイメージは共有できました。

最初の難問は、カワウソの家です。上下2重構造で、面積はあまり広くなくというオーダー。結局古墳の石室みたいな構造になりました。水族館関係者には好評だったが、元考古学研究者としては複雑な心境でした。
仲田種苗園の現場代理人は岡部公一工事部長、1級造園施工管理技士・1級造園技能士。石組みは、親子2代の付き合いがある地元石川町の南條庭石店にお願いしたが、岩城造園などを顧客に持つ全国に知られた専門業者です。



現場は箱根植木さんの縄文の里とほぼ同時進行です。仲田種苗園は縄文の里への材料納品と植栽補助、カワウソの淵の直営工事と大忙しでした。
これも水族館や箱根植木との人間関係の賜物です。




仲田種苗園は、2010年エッグの森の設計施工を担当。わざわざ縄文の里から切り離して、カワウソの淵の設計施工を任せてくれたのは、水族館担当者たちが主体的に参画するためです。担当の中村千穂さんは、休日も含めて毎日現場に顔を出して、汗をかきながら、一緒に働いてくれました。







壁の石積みが終わったら、小築山の盛土・造成、急げ急げ。



滝石組みとカワウソ逃走防止壁の設置は同時並行





主木のイロハモミジの植栽、高さ8m


中低木の植栽










カワウソの淵は、仲田種苗園が設計施工を担当しました。しかし安田純課長と担当の中村千穂さんはじめ水族館スタッフが主体的に関わりました。特に植生ロールと水生植物の植栽はすべて水族館直営工事です。
池の底に水草を生やすのがたいへんだったそうで、カワウソが鋭い爪で引き抜きます。それで水草をロールに十分に根付かせてから設置するなどして成功。水草の中をカワウソが泳ぎ回る光景は、中村さんが夢にまで見たそうです。
動物本来の行動を引き出す工夫が評価されて、「エンリッチメント大賞2018」(市民ZOOネットワーク)を受賞しています。
カワウソの淵は、水族館一番の人気スポットで、いつもたくさんの見学客がいるのは、施工者冥利に尽きます。